おうち英語で育った愛しいお子さま。小学校英語は楽しく過ごせていたでしょうか？正直言うとつまらなかったかな、というお子さまもいるかもしれませんね。
小学校英語は「英語を身近に」がテーマであり、単語の書取りや文章を作って書くなど、英文法や英作文は小学校では強要しない方針になっています。
私は小学校英語指導者資格があり、現在プリスクールで講師をしていますが「書かない授業」は英語の伸びに限界があると感じています。英語に慣れている人にとって、「話す・聴く・読む」の3技能だけではやはりもの足らないようです。
また、私には小中高それぞれに子どもがいますが、小学校・中学校・高校の英語の授業に進度の差がありすぎるので、本当にびっくり！私の時代はこれほどの差はありませんでした。
書くことをしない小学校英語。ところが、中学の英語は突然変わってしまいます。
ここでは現在の中学英語の模様と、おうち英語のお子さまの、中学英語への向き合い方をお伝えします。
【おうち英語】中学生英語の現状
おうち英語をやってきていたら、中学英語は小学校と同じ様に簡単だろうな、と親も子も思ってしまいそうになりますよね。
「そうではない！中学英語は大きく変わっている！」ということを含めてお伝えします。
【中学英語】学習範囲が増えた
私たち親の時代の中学英語はABCの文字の書き方から始まり、大文字小文字の練習、そして挨拶の練習から始まりました。
そのあとbe動詞を習って、初めての中間テストというスローペースだったはずです。
ところが今は、最初のテストでbe動詞、不定詞、助動詞、動名詞までが範囲になり、これを使って作文、という複雑な問題まで出題されます。これが令和の中1の6月の英語のテストです。
このハイスピードには中学英語の学習指導要領が変わったという理由があります。高校で習う仮定法・原型不定詞・現在完了進行形が、中学英語に移行してきたことが原因です。
【中学英語】単語も増えた
2020年までの英語は中学校卒業時で、単語1200語と言われていました。
しかし2021年からは、小学校ですでに700語を習得済みとみなされ、中学ではさらに1800語を習います。よって中学卒業時には、2500単語を習っていることになるのです。
2021年の新指導要項から、単語は2倍の量になりました。
【中学英語】ALTとのスピーキング
現在地方住み、公立中に通っている長男の中学校は、英語は少人数制です。レベル別ではありませんが、より細やかな指導ができる様に、出席番号で分けられています。そして文法を習う通常の英語の授業と、スピーキングやリスニングを主に習うALTとの授業が設けられています。
スピーキングでは自分で作文し、発表します。授業に加えて，この様なプロジェクトがいつもあるのですから、英語の授業はあっという間に進んでいくことが想像できるでしょう。
これまでスピードから急に変化があれば子供も気付き、焦ったり対策しますが、最初からハイスピードだと、自分の理解が追いつかないうちにどんどん進んでいってしまいます。置いてかれていることにすら気付かないのです。
だから中1の5月で「英語がわからない」というお子さまが発生してしまうのです。
【おうち英語】中学英語は真摯に取り組む
おうち英語を続けきた家庭によくある言葉のひとつに「英語ある程度できるからうちの子は大丈夫」があげられます。
おうち英語にもそれぞれ習熟度が違いますね。小学生のうちに中学校卒業レベルの英検3級、高校レベルの準2級など、資格をとり進めているご家庭もあることでしょう。
それぞれの違いはありますが、英語の基礎はみんな同じ。基礎はできていますか？英検もってるから、と油断していませんか？
【おうち英語】英検取得しているお子さまこそ中学英語は慎重に取り組む
「英検合格してるから中学英語は勉強しなくても大丈夫」と多くのご家庭が思いがちです。
大変鬱陶しいことを言いますが、「中学英語は真面目に取り組んだ方が得策」です。
なぜなら、日本の中学英語は文法を正しく学べる最初で最後のチャンスと言っても過言ではないからです。
中学英語は、世界中の有識者が認める「マーフィーのケンブリッジ英文法」という英語テキストと、全く同じカリキュラムと内容。
このテキストは中学英語3年分が一冊にまとめられています。逆を言えば、義務教育で英語文法が正しく学べるのです。
おうち英語で文法を細かく指導してきたご家庭はごく少数だと思います。
だから、おうち英語の積み重ねに加えて、中学3年間で英文法を学べば、英語の底力と基礎が十分につきます。
どうか「今までやってきたから」と手を抜かず、最初から中学英語にしっかりと向き合ってください。
最初はつまらないかもしれないけど、誰にも負けない英語の力が確実についていくことでしょう。
【中学英語】保護者も中学英語を常にチェックする
おうち英語育ちのお子さまは、きっと英語の成績は最初から心配することはないでしょう。
だからつい「英語は大丈夫ね」と放置しがちですが、保護者の方はお子さまの英語の理解度と進捗を確認することも大切です。
特に「英語は習わなくても大丈夫だから」と誰からも英語を習わずにいると、中学英語で日本語と英語の狭間でいつのまにか分からなくなってしまっていた、ということもよく聞く話です。
保護者の方も緊張感をもって中学英語を見守っていただきたいと思います。
【おうち英語】中学英語は初心に返った気持ちで
我が子たちにも本当にしつこく「中学英語は真面目に取り組みなさい」と言ってきました。
おかげで先生からは授業態度の評価も高く、be動詞から真摯に学んでいるおかげで、英語の基礎が完璧になりました。英検1級に合格したもの、中学英語の基礎のおかげです。
こどもたちは「学校で説明を聞くと、そう言うことだったのか、と思うことがよくある」と言っています。
おうち英語をやれば中学英語は勉強なしでいける、など謳っているところもありますが、どうか真摯に取り組んでもらいたいと願ってます。
日本の中学英語は最強なんですから！
