我が家の第三子は、アメリカ駐在中に生まれたので、アメリカ国籍を持っています。海外出産の情報は多いのに対し、国籍選択については情報が少ない印象です。
国籍選択する時期が来たら、自分で調べるから特別な情報はいらないのかな、と思いますが、不安に思っている方もいるかもしれないので、記していこうと思います。
※2024年11月現在の情報です
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【国籍選択】成人までに本人が届け出る
日本は、成人の二重国籍を認めていません。そのため、成人までにひとつの国籍に決めなければなりません。
国籍選択については、本人が20歳までに本籍地または所在地の市区町村役場へ「国籍選択届け」を提出します。
もし、この届出を期間内に提出しないと、場合によっては日本国籍を失うこともあるかもしれない、とのこと(知らなかった!)
重国籍者は、重国籍となった時が18歳未満であるときは20歳に達するまでに、重国籍となった時が18歳以上であるときはその時から2年以内(注)に、いずれかの国籍を選択しなければなりません。
引用:法務省-国籍Q&A
この期限内に国籍の選択をしないでいると、法務大臣から国籍選択の催告を受け、場合によっては日本国籍を失うことがあります。(注)令和4年(2022年)4月1日から、「重国籍となった時が18歳未満であるときは20歳に達するまでに、重国籍となった時が18歳以上であるときはその時から2年以内」に変更されました。
書類はこちら→法務省:国籍選択届ダウンロード


日本国籍についてよくあるご質問はこちらの法務省のQ&Aをご参考に。

【国籍選択】市役所に問い合わせをした
自分で調べただけでは不安だったので市役所に問い合わせをしました。
メールの文面を載せますので参考にしてください。
送信内容と回答はこちら


回答内容に明記されていますね。
- 20歳までに、市民課へ提出しなければならない
- 督促状はないが、国から催促を受けることもある
20歳までに、家族でよく考えて選択しようと思います。
【国籍選択】アメリカ国籍を放棄したい
アメリカ国籍は将来不要と判断し、放棄したい場合は、本人がアメリカ大使館または領事館へ赴き、面談し、離脱料を支払う、という手続きが必要です。
アメリカ国籍を取るのは無料だったのに、放棄(離脱)にはお金がかかるのです。恥ずかしながら私は知りませんでした。

【国籍選択】知らなかったでは済まされない
日本以外の国の国籍を有する場合、そちらの国の義務も果たさなければなりません。
例えば、兵役義務のある国では、その年齢に達するまでに国籍を選択(またはその国の国籍を放棄)しなければ、徴兵のために召集されます。韓国などは有名ですね。
また、現在はアメリカの徴兵制度や国民の義務で特別なことはありませんが、もしかして将来法律が変わるかもしれません。
自分の子供が日本以外の国籍をもち、その国の国民でもあることを自覚しなければならない、と改めて気付かされます。そして、調べるのは親の努めでもあるなと思いました。
【国籍選択】アメリカ国籍を有している場合
アメリカ国籍を持っている人は、ESTAでは入国出来ません。アメリカのパスポートで出入国する必要があります。
しかし息子の場合、アメリカのパスポートは5歳で切れてしまいました。その場合、アメリカ旅行の時、日本のパスポートで入れるのでしょうか?
答えは『NO』日本のパスポートでアメリカには入れません。
息子はパスポートが切れているので、アメリカパスポートを更新しないとアメリカに入国出来ないのです(不便!)
正直「そんなバカな」と思いましたが、その様です。アメリカパスポート更新のために、アメリカ大使館又は領事館へ行き、手続きしないとアメリカに入国できません。もちろんハワイも。気軽に旅行計画が立てられなくなります。
Q. 子供が二重国籍なので、日本のパスポートを使ってアメリカに旅行してもいいですか?日本とアメリカの出入国では、どちらの国のパスポートを使えばいいのでしょうか?
A. アメリカの法律で、アメリカ国民(二重国籍の有無に関わらず)はアメリカのパスポートでアメリカに出入国することが定められています。あなたの二重国籍のお子様はESTA申請する必要はありませんので、申請しないでください。アメリカ-日本間を旅行される二重国籍の方は、日米両方の有効なパスポートが必要です。日本の出入国は日本のパスポートで、アメリカの出入国はアメリカのパスポートを使用してください。両国のパスポートを同時に提出する場面は、日本の航空カウンターのみです。
引用: 在日米国大使館と領事館「よくある質問」
アメリカパスポートについては、こちらの「よくあるご質問」をご参考にしてください。私も聞きたい、子どものパスポートの質問などが掲載されています。

【国籍選択】息子の国籍選択はどうする?
息子はまだ小学生ですので、国籍選択の成人まで時間があります。しかしなんとなく「日本国籍にする」と思っています。
なぜなら、日本国籍を選択しても、アメリカで生まれた事実は残るからです。
米国の国籍法は、出生により二重国籍を取得した場合、成人後にどちらかの国籍を選択しなければならないという特別な決まりを設けていません。また、日本国籍を選択した場合でも米国籍が抹消されることはありません。
引用:在日米国大使館と領事館

アメリカで出産した時は、日本の出産とはまったく違う出産で戸惑ったり感激したり、忙しい日々。そのため、国籍選択の日が来るなんて、話には聞いていたものの、永遠に先の話だと思っていました。
今回、国籍選択について意識したのは、息子の日本のパスポートを更新したからです。その時に、他国の国籍の有無の選択肢があり、初めて詳しく説明をきかせてもらうことが出来ました。

また、「何歳でも提出できる」とのことでしたが、我が家はギリギリの20歳まで提出しないと思います。その頃、もし次男がアメリカの大学を希望していた場合、また状況がかわってくるかもしれないですもんね。
駐在仲間は多いですが、海外出産経験のある親しい駐在妻のお友達は限られてきます。そして更に子どもが成人する頃まで親しい関係でいる方は少ないかもしれません。
そんな方のためにお役にたてれば幸いです。